左から営業本部長 河地さま、経営管理部部長 秋庭さま
会計税務・経理・財務分野の転職サービスを展開する株式会社人材ドラフトさまは、「人材ドラフトWEB」における新サービスの伸び悩みを打開するため、新たな戦略として「フリーランス活用」に踏み切りました。
その結果、売上を5.3倍に伸ばすという目覚ましい成果を上げ、フリーランスとして活躍していたS.Mさんを執行役員に起用するなど、大胆な人事を実現しています。
今回は、株式会社人材ドラフトさまがなぜフリーランス人材を起用するに至ったのか、営業本部長 河地さまと、経営管理部部長 秋庭さまに、フリーランス起用の背景とその成果について詳しくお話を伺いました。
河地さま:当社は、会計税務・経理・財務分野に特化した転職サービスを展開しています。
メインとなるサービスは2つあり、1つは求人マッチングサイトの「人材ドラフトWEB」です。これは、会計事務所、税理士法人、監査法人の求人を掲載しているサイトで、業界トップクラスの認知度と実績を誇っています。
もう1つは、人材紹介サービスの「人材ドラフトエージェント」です。こちらは、税務会計に精通したエージェントが、求職者の方一人ひとりのご希望やキャリアプランを丁寧にヒアリングし、最適な企業を紹介してベストマッチを実現しています。
河地さま:当社は「広告」と「人材紹介」の2つの事業を展開していますが、売上比率は圧倒的に広告事業の方が大きかったんです。そこで、広告サービスのさらなる成長を目指し、採用コストを抑えたいというニーズが多い地方のお客様向けに、成果課金型の「人材ドラフトWEB」を本格的に開始しました。
しかし、リリース当初は期待していたほどの成果が出ず、伸び悩んでしまいました。サービスを成長させるにはもっとリソースが必要でしたが、中小企業である当社にとってそれが大きな課題でした。
河地さま:組織改編や人員の再配置など、社内でさまざまな取り組みを試みましたが、思うような成果が得られませんでした。
新サービスを継続すべきか否かに葛藤する時期もありましたが、どうしても成功させたいという強い思いがあり、最終的に外部の力を借りるという結論に至りました。
秋庭さま:当時、営業企画の立場で戦略を推進できる人材が不足していました。正社員の採用も検討しましたが、採用に時間がかかることや、必要なスキルを持った人が見つかるかどうかも不安でした。
そこで、即戦力としてすぐに活躍していただけるフリーランスの方にご協力をお願いすることにしたんです。
河地さま:エンジニア職や業務改善の分野では、すでにフリーランスの方々に活躍していただいていたので、社内ではフリーランス活用が一般的な選択肢として浸透していました。
ビジネス領域でお願いするのは今回が初めてでしたが、これまでの実績もあり、社内でもすんなりと受け入れられました。
秋庭さま:新規事業の立ち上げから、戦略策定、オペレーション設計~実行支援までを担える人材をオファーしました。
人材サービスの経験は必須ではありませんでしたが、そこでご紹介いただいたのがS.Mさんです。
河地さま:S.Mさんは、人材サービスでの経験があり、まさに私たちが求めていたスキルや経験と一致していました。
Webマーケティング全般に精通したスペシャリスト。リクルートでは152サイトのSEO担当として検索順位向上に貢献。リブセンスではバイト求人サイトのCVR改善をリードし、Casyでは家事代行サービスのマーケティング責任者として30名の組織を統括。独立後は、マネーフォワードで不動産事業立ち上げの集客戦略を担当。
河地さま:S.Mさんには営業企画担当として参画いただきました。まずは成果課金型サービスの戦略が本当に正しいのか、市場調査に基づく定量・定性分析を通じて検証してもらったんです。
「この事業を継続すべきか、撤退すべきか」という判断を仰いだところ、「このまま進めるべき」という力強い意見をいただきました。これまでの開発の努力が無駄にならないと、私たちも本当に安心しました。
その後は、現状の見直しや今後の戦略策定、さらには具体的な戦術の実行まで、幅広く担当してもらっています。
河地さま:社内全員から頼られる存在です。
自ら現場に赴き、「困っていることは?」と積極的にコミュニケーションを取ってくれるので、全員がS.Mさんのことを外部人材ではなく、仲間として認識しています。
特に素晴らしいのは、「これ、良いと思いませんか?」と提案する形で、私たちを自然に巻き込んでくれるところです。
自分のスキルや経験を押し付けるのではなく、私たちの意見を尊重してくれるので、メンバーも「よし、やってみよう!」という気持ちになれます。
S.Mさんは、メンバーの潜在能力を引き出す優れたマネジメント能力を持っていましたので、2年間の在籍期間を経て、現在は執行役員を務めています。
河地さま:S.Mさんは「求人票の獲得さえ途切れなければ、事業は成長できる」という強い信念を持ち、さまざまな施策にトライ&エラーを繰り返しながら取り組んでくれました。
営業担当者のモチベーションに依存するだけでなく、インバウンドマーケティングの強化や無料体験施策の実施といったアプローチにも力を入れてくれました。特に、合理的かつ効率的な営業戦略を構築してくれたことが非常に大きかったですね。
例えば、広告掲載においては、首都圏や関西以外の地方都市だとハローワークが有料メディアよりも強力な競合になることがあります。そこで、S.Mさんは営業ツールやトークスクリプトを整備し、営業担当者のスキルアップを図る施策を実施してくれました。
河地さま:S.Mさんの貢献により、人材ドラフトWEB採用課金型サービスにおいて前年比5.3倍の売上を達成し、2年間達成できなかった黒字化にも成功しました。これは本当に素晴らしい成果です。
さらに、求人票の獲得スピードも3倍に向上しました。求人数と集客数は比例するため、今後の事業拡大に向けて非常に重要な成果だと感じています。
河地さま:フリーランスの方と一緒に仕事をする機会はまだ少ないので、一概には言えませんが、自分のスキルや経験を押し付ける人や、過去の成功体験に固執して周りの意見に耳を傾けないような人には少し注意が必要かもしれません。
企業にはそれぞれ文化や価値観があるので、一見優秀でスキルが高くても、その会社の価値観に合わなければ、うまくいかないことが多々あります。
本当に優秀なフリーランスの方は、一般的な理論を押し付けるのではなく、その会社固有の課題解決に真摯にコミットしてくれるでしょう。
あと、これは個人的な意見ですが、「フリーランス」という言葉自体があまり好きでありません。一緒に働く仲間なのに、その言葉を使うとどうしても距離を感じてしまいます。
S.Mさんがふとしたときに「うちの会社」と言ってくれたのですが、本当に嬉しかったですし、このような関係性だとうまくいくことが多いと思います。
河地さま:社内にない経験やスキルを短期間で得るための手段です。
時間はお金では買えませんから。S.Mさんのように、期待以上の成果を上げてくれるフリーランスの方と出会えれば、投資した以上のリターンを得られます。
もちろん、フリーランスの方との信頼関係や適切なマネジメントがなければ、期待した成果は得られず、コストだけがかかってしまうこともあります。
フリーランスの方にお願いするだけでなく、企業側も責任を持ってマネジメントする必要があると感じています。
秋庭さま:当社のような規模の会社にとって、必要なスキルを持つ人材を採用するのは容易ではありません。
しかし、フリーランスであれば、必要な時に必要なスキルを提供していただけます。コストはかかりますが、それを上回る成果が得られれば、活用する価値は十分にあると思っています。
フリーランス人材の活用は、専門スキルや経験の提供にとどまらず、経営戦略への貢献や新たな視点・アイデアの提供、さらにはイノベーションの促進といった可能性を秘めています。
株式会社人材ドラフトさまは、フリーランスの力を活用し、人材不足や事業の課題を突破し、力強い成長軌道へと舵を切った好例と言えるでしょう。
人材不足や事業の停滞に悩む企業にとって、フリーランスは即戦力として課題解決を促進し、成長を加速させる有効な選択肢となり得ます。
今回の事例のソリューションサービス
「ITプロパートナーズ」は、採用業務に工数をかけられないスタートアップ・ベンチャー企業ならではの課題を解決に導く人材マッチングサービスです。従来の雇用形態にとらわれない新しいスタイルでプロフェッショナル人材の活用をご提案いたします。即戦力となるITフリーランスを最短60分でご紹介することが可能なため、迅速に人材を確保したい企業さまにも最適です。
「マーケティングプロパートナーズ」は、マーケティング領域に特化したプロフェッショナル人材と企業を結ぶマッチングサービスです。企業の成長戦略に応じて、事業成長に多大な貢献をするプロのマーケターを最短でご提案します。
その他サービス一覧