
左から、コーポレート部 人事グループ マネージャー 廣田さま、弊社担当 伊藤
TXP Medical株式会社さまは、救急医療の現場を中心に、ITやデータを活用して医療現場の課題解決に取り組む企業です。
同社では、事業が大きく拡大するなか、採用目標も前年度を大きく上回る水準に設定されていました。一方で、人事のリソースが限られていたことに加え、特に専門性が求められるエンジニア採用では、社内に十分なノウハウがないという課題も抱えていたといいます。
そこで同社が選択したのが、即戦力として採用業務を担えるフリーランス活用でした。
今回は、フリーランスを活用した背景や実際の業務内容、半年間でエンジニア7名の採用につながった経緯について、コーポレート部 人事グループ マネージャーの廣田さまにお話を伺いました。

廣田さま:私たちは、救急医療の現場におけるデジタル化と、そこで蓄積されたデータの利活用を進めている会社です。
救急医療の現場では、緊急度が高く、確実性が求められるからこそ、紙やホワイトボードなどのアナログな方法が使われているケースも少なくありません。こうした現場の特性が、デジタル化を進めるうえでの一つの課題になっています。
また、電子カルテなどにデータが蓄積されていても、必要な情報を取り出しにくい構造になっていることがあります。そのため、研究や製薬など、データを後から活用する場面でも課題がありました。
こうした課題に対して、弊社では救急隊が現場で音声入力や写真撮影を使って情報を入力・共有できる「NSERmobile」や、病院の電子カルテなどから必要なデータを抽出し、標準化・構造化する「NEXT Stage ER」といったシステムを提供しています。
ビジネスとしては、主に救急隊(自治体)、病院、製薬会社の3方向にサービスを提供しています。
そのため、社内の組織も「病院向け」「自治体向け」「製薬企業向け」の3事業部に加え、プロダクト開発を担当する「システム開発部」、全社を支える「コーポレート部」の大きく5つの部署で構成されています。
廣田さま:事業の拡大に伴って、年間の採用計画も前年度よりかなり大きな目標になっていました。しかし当時は人事の工数がかなり逼迫していて、特にエンジニア採用については、募集する職種が多岐にわたることもあり、専門的な知識や採用ノウハウを持ったリソースが不足していました。
そこにメンバーの産休も重なり、「採用を止めるわけにはいかないけれど、社内だけでは手が回らない」という状況でした。
廣田さま:当初は正社員採用を中心に進めていて、最終選考まで進んでいる候補者もいました。ただ正社員の場合、内定から入社までにどうしても時間がかかり、採用できるかどうかも最後まで読みにくいところがあります。
当時は残り1〜2ヶ月で体制を整える必要があったので、「今すぐ入ってもらえて、すぐに動ける人にお願いしたい」ということで、フリーランスの活用を考えました。
また、最初から派遣ではなくプロ人材を探していたのは、決められた作業をしてもらうだけではなく、自分で課題を見つけて、改善方法まで考えて動ける方に来ていただきたかったからです。実際にお声がけしてから1〜2週間ほどで、こちらの希望に合う人材をご提案いただき、スムーズに参画を決めることができました。
廣田さま:複数の企業の支援をしている方もおり、どの程度リアルタイムに反応してもらえるかや、社員よりは専門性を求めていたので、どの程度弊社の環境にマッチしているかは一定の不安はありました。
廣田さま:社内の状況を見たときに、特に難易度が高かったのがエンジニア採用でした。そのため、Web・IT領域のエンジニア採用で、実績と経験があることを最も重視してオファーしました。
医療業界の知識については、入ってからキャッチアップしてもらえば問題ないと考えていました。それよりも、スタートアップならではのスピード感や、状況に応じて柔軟に動けることのほうが重要でした。
そのため、スキルだけでなく、弊社の環境に馴染んで自走してもらえそうかという点も見ながら選考しました。
新卒で大手総合経営コンサルティング会社に入社し、コンサルティング補助や社内広報に従事。その後、IT・エンタメ企業に転職し、社内外広報業務と人事業務を経験。採用広報では、メディアリレーション、採用戦略立案、コンテンツ企画などを担当し、採用力の強化に取り組む。2019年よりフリーランスとして独立。以降は、IT・SaaS・SES・AIソリューション系のスタートアップ企業を中心に、スカウトを軸とした採用実務を支援。媒体選定からスカウト文面の作成・送信、数値分析、改善提案、ATS運用、定例MTGまで幅広く対応している。

廣田さま:エンジニア採用をメインに、スカウトサービスやエージェントを使った母集団形成から、進捗管理、クロージングまで一通りお願いしました。
廣田さま:自走力がありながら、地道なこともしっかりやり切ってくれる方です。家庭や育児との両立をしながら、こちらの状況に合わせて柔軟に対応していただき、コミュニケーションも非常にスムーズでした。
毎週のランチやチームミーティングにも積極的に参加してくださって、社内のメンバーともすぐに打ち解けていました。チームの雰囲気を明るくしてくれたという意味でも、とても助かりました。
廣田さま:もともと、スカウト経由での母集団形成をもっと強化したいという考えはありましたが、自社だけではそこに手をかける時間がなかなか取れていませんでした。
そこでK.Hさんには、対象者のピックアップからスカウト文面のカスタマイズ、送信、反応の分析まで、一連の業務を担当していただきました。
特に印象に残っているのは、スカウトの送信件数や職種、返信率などを細かく記録する管理シートを、毎月きちんとつけてくださったことです。こうした作業も嫌がらずに丁寧に続けてくださって、数字を見ながら返信率が高い曜日や時間帯を試したり、文面を変えたりと、少しずつ改善を重ねてくださいました。
これまでの採用経験を活かしながらPDCAを回していただいたことで、スカウト業務そのものがかなり整っていきました。
廣田さま:それまで後手に回っていたスカウト業務が大きく改善して、安定して応募者を集められるようになりました。結果として、下期の6ヶ月間で7名のエンジニア採用を実現することができました。
定量的な成果はもちろんですが、「スカウトをしっかりやり切れば、きちんと成果につながる」という成功体験と、そのためのノウハウを社内に残してもらえたことも大きかったと思います。
K.Hさんと私との1on1などを通して得た知見を事業部側の採用スカウトにも還元でき、会社全体の採用ノウハウとして蓄積されました。

廣田さま:一番大きなメリットだと感じたのは、必要なスキルを持ったプロ人材を短期間で紹介してもらえたことです。正社員採用の紹介サービスとはまた違って、「こういう経験がある人に来てほしい」という要望にかなり近い方と出会えました。
廣田さま:カルチャーマッチや出社頻度の希望など、社員ではないからこそこだわらなくてよい部分は区別し、割り切ることも検討してもよいと、活用してから考えが変わった部分があります。
なんといっても成果を求めるポジションになると思いますので、活用しながらシビアに判断し、求める条件を継続的に検討しながら自社の採用成功を実現するような方法がとれるのも、フリーランス活用ならではと感じています。
廣田さま:事業のスピードを落とさずに、必要なところをピンポイントで補ってもらえる、非常に合理的な手段だと思っています。
社員の場合は、どうしても育成や長期的な組織への適応まで考える必要があります。一方でフリーランスの場合は、必要な期間、必要な領域で専門性を発揮してもらうという考え方ができます。
出社頻度やカルチャーマッチなど、社員だからこそ気にしてしまう部分をある程度切り分けて、「この仕事で成果を出してもらえるか」というところに集中できるのも、フリーランス活用のよさだと思います。
必要なときに、必要な領域で力を借りられる。そういう意味で、非常に有効な手段だと感じています。
TXP Medical株式会社さまは、事業の急拡大に伴い、前年度を大幅に上回る採用目標と人事体制のリソース逼迫という課題に直面していました。短期間でエンジニア採用体制を整える必要があるという危機的なタイミングにおいて、フリーランスの活用を選択されました。
その結果、高い自走力とWeb・ITエンジニア採用の知見を持つ即戦力人材の参画により、手をつける工数が取れていなかったスカウト業務を一気通貫で強化し、下期6ヶ月間で7名ものエンジニア採用を実現することに成功しています。
採用までにタイムラグが発生しやすい正社員とは違い、急を要するタイミングで必要な専門スキルをピンポイントで補うことができるフリーランス活用は、事業の成長スピードを落とさない強力な選択肢です。
課題の特定から実行まで自走できるプロ人材をチームの一員として迎え入れられれば、フリーランスは単なる作業の外注を超え、社内にノウハウをもたらし組織の成長を加速させる重要なパートナーになり得るといえるでしょう。