
左から弊社担当 安念、代表取締役CEO 公認会計士 中村さま
取締役会DXプラットフォーム『michibiku』、内部統制クラウド『conkan』を展開するミチビク株式会社さまは、ガバナンス領域に特化したプロダクト開発を進める中で、組織規模に対して開発リソースが不足するという課題を抱えていました。
事業成長に伴い機能追加・改善のニーズが高まる一方、即戦力エンジニアの採用は難易度が高く、スピードと品質を両立できる体制構築が急務でした。こうした状況を打開する手段として同社が選んだのが、フリーランス人材の活用です。
本記事では、代表取締役CEO・公認会計士の中村さまに、フリーランスを迎え入れた背景、組織とのフィット感、そしてわずか3ヵ月で正社員登用を決断するに至った理由について詳しく伺いました。

中村さま:当社はコーポレートガバナンス領域に特化したSaaSを開発・提供しています。市場としてはまだ新しく、「コーポレートガバナンステック」というカテゴリーを自ら切り拓いている段階です。
提供プロダクトは、取締役会の運営を支援する「michibiku」と、内部統制の業務を効率化する「conkan」の2つ。いずれも月額課金のSaaSモデルで、主な導入先は上場企業や大規模法人です。
最近では学校法人でもガバナンス強化の流れが加速しており、法政大学さまなど多様な組織にご利用いただいています。
組織体制は正社員15名、業務委託15名ほどの計30名で、開発やクリエイティブ、プロダクトづくりに関わるメンバーが半数を占めています。
中村さま:当時は「conkan」を立ち上げるフェーズで、開発担当の大園と私の2名で企画・設計を進めていました。しかし並行して他の業務も抱えていたため、立ち上げに必要な開発リソースを十分に確保できず、スピードが出ない点が課題でした。
プロダクトの根幹をつくる重要な時期だったため、単に手を動かすだけではなく、スピード感をもって開発を前に進められる仲間が必要でした。
ただ、正社員採用は想像以上に難しく、スキルとコミュニケーション力を兼ね備えた人材に出会うハードルは非常に高い状況でした。
中村さま:スピードが求められる立ち上げ期に、外部の力を借りることは自然な選択でした。
当社では、正社員とフリーランスに契約上の違いはあっても、一緒に働く仲間として区別しない文化があります。イベントも職種を超えて参加しますし、成果を出していただける方であれば契約形態は問いません。
フリーランス活用には3つのメリットがあると考えています。1つ目は、優秀な方と出会える可能性が広がること。2つ目は、双方にとってフィットするかを短期間で見極められること。3つ目は、当社が大切にしている人柄をしっかり確認できる点です。
当社は「いい人であること」を非常に重視しています。攻撃的なコミュニケーションや不誠実さは、チーム全体の生産性を下げてしまうからです。スキルだけでなく価値観や姿勢が合う方を見つけられるという意味でも、フリーランス活用は有効でした。
中村さま:オファーにあたって最も重視していたのは、「一緒に気持ちよく働ける相手かどうか」です。スキル以上に、協働のしやすさを大切にしていました。
技術要件は必要な水準を満たしていれば十分で、それ以上に、価値観がチームと合うか、自然に馴染めるかといった人柄の部分を重視していました。
当時は開発体制がまだ小さかったため、出社を含めたコミュニケーションが円滑にできるか、議論が必要な場面で建設的に対話できるかといった点も重要な判断基準でした。
また、成長意欲があり、状況に応じてフルスタックにも挑戦していく柔軟さがあるかどうかも見ていました。こうした観点で面談を重ねる中で、当時のフェーズに最もフィットすると感じたのがR.Sさんです。
2018年にエンジニアとしてキャリアを開始。Web制作会社でのマークアップ経験を経て、React・Next.js・TypeScriptを用いたフロントエンド開発へとステップアップ。SES企業では約3年間BtoB向けプロダクトの開発に携わり、直近では住宅総合機器メーカーの業務システムにおいて詳細設計から実装までを担当。AWS Amplifyは独学と有識者への相談を通じて実務レベルまで習得し、自走力と吸収力の高さが光る。現在は正社員として着実に活躍の幅を広げている。

中村さま:R.Sさんには、パイロットクライアントの要望に応えながら、機能を形にしていくポジションで参画してもらいました。
当時は内部統制DX「conkan」の立ち上げ段階で、お客様ゼロの状態。実際のユーザーの声を拾いながら、プロダクトとして成立する形へ落とし込んでいくことが求められていました。
立ち上げ期は、要件も状況も日々変化していきます。その中で、お客様の一次情報を正しく理解し、柔軟に開発へ反映するポジションとして動いてもらいました。
中村さま:まず、報告・連絡・相談が非常に丁寧で、コミュニケーション面で大きな安心感がありました。立ち上げフェーズは不確実性が高く、「何が正解か」が定まりにくいのですが、進捗を適切に共有してくれたことで、こちらも迷いなく任せられました。
さらに、自ら提案し、それを実行までつなげる主体性も持ち合わせています。
お客様ごとに要望が異なる中で、CSや営業メンバーと積極的にコミュニケーションを取り、一次情報を自ら取りにいきながら開発を進めてくれました。
こうした姿勢は、立ち上げ期のチームにとって本当にありがたいものでした。
中村さま:当初は実装を中心にお願いしていましたが、徐々に設計や仕様検討といった上流工程にも携わってもらい、課題解決の幅が広がっていきました。
要件定義の段階から主体的に考えてくれる場面も増え、任せられる領域が大きく拡張していきました。その結果、私たちも本来取り組むべき領域により集中できるようになり、チーム全体の動きがよりスムーズになりました。
中村さま:開発体制が私と大園の2名から3名になり、まず推進力が大きく向上しました。
その結果、お客様ゼロの段階からパイロットクライアントへの機能提供、正式な有料契約への転換、そしてプロダクトの本ローンチまで一連の流れを着実に進めることができました。こうした成果の積み重ねが、現在の顧客増加にも確実につながっています。
さらに、正社員転換後は開発に加えて採用活動や上流工程にも携わってくれたことで、組織として対応できる領域が大きく広がりました。R.Sさんの参画によって得られた成果は非常に大きかったと感じています。

中村さま:当社の状況や求めている人物像を丁寧に汲み取ったうえで、適切な候補者をご紹介いただけたと感じています。
単にスキルが合うかどうかだけではなく、「一緒に働けるか」「価値観が合うか」というところまで踏み込んで提案いただいたので、安心して選考を進めることができました。
実際に参画いただいたR.Sさんも、期待にしっかり応えてくださり、フリーランスという枠を超えてチームの戦力として活躍してくれました。
こうしたミスマッチの少なさは、ITプロパートナーズを活用する大きなメリットだと感じています。
中村さま:フリーランス活用は、単なるリソース補填ではなく、プロダクト開発を前に進めるための戦略的な手段だと捉えています。
正社員採用だけではスピードが追いつかないフェーズでも、必要な専門性を持つ方にスポットで参画いただくことで、開発を止めずに前に進めることができます。
また、当社は契約形態にかかわらず「一緒に働く仲間」として接しています。フリーランスの方々も主体性を発揮しやすい環境があるため、外部の方をきっかけに組織の動き方や技術力が引き上がるケースも少なくありません。
今回のR.Sさんのように、業務委託からスタートし、正社員へと展開するケースも自然に生まれており、中長期的に共に働く仲間との出会いの場としても有効だと感じています。
今後も積極的に活用していきたい手段のひとつです。
ミチビク株式会社さまにおけるフリーランス活用は、プロダクト開発を前に進める実効性の高い手段として機能しました。立ち上げ期に求められるスピードを確保しつつ、必要な専門性をタイミングよく補える点は、少数精鋭で戦う組織にとって大きな価値があります。
また、価値観や姿勢がチームと合う人材が加わることで協働の質が高まり、組織全体の推進力も強化されました。こうした取り組みは、少数精鋭組織が成長を加速させるうえで、今後も重要な選択肢であり続けるでしょう。