
左から、人事 坂脇さま、CTO 藤井さま、弊社営業担当 中田
株式会社Hubbleさまは、契約書管理クラウドサービス「Hubble」を提供する、リーガルテック領域のSaaS企業です。サブスクリプション型のビジネスモデルを軸に、開発組織を中核とした体制でプロダクトを展開しています。
近年は、契約書の管理・レビューにとどまらず、契約業務フロー全体の”進め方”をAIで支援する「Contract Flow Agent(CFA)」の構想を打ち出すなど、プロダクトは契約書管理ツールの枠を超え、契約業務全体を支えるプラットフォームへと進化しています。
事業成長が加速するなか、同社が直面していたのは「開発スピードを落とさずに、品質を担保し続ける」組織づくりでした。リーガルテックという専門性の高い領域では、技術力だけでなく、事業理解を前提にチームで議論できるコミュニケーション力が不可欠です。
そこで同社は、契約形態にこだわらず、カルチャーフィットとコミットメントを重視した組織づくりを選択しました。本記事では、CTO藤井さまと人事担当の坂脇さまに、フリーランス活用の背景と、採用・受け入れで大切にしている考え方を伺いました。

藤井さま:当社はリーガルテック領域でプロダクトを展開するITスタートアップです。契約書管理クラウドサービス「Hubble」を中心に、サブスクリプション型のSaaSとして提供しています。
開発体制は、いわゆるSquadモデルを採用しており、Hubble全体の顧客体験を高める「ValueUp」、AI時代の契約・審査・管理のあり方を構想する「AI」、権限管理や基盤を担う「Core」、開発生産性を支える「DevEx」の4つで構成しています。
現在は、正社員25名、業務委託メンバー20名という体制で、バックエンドやフロントエンドのエンジニアを中心に、PdMやEM、QA、SREなど各役割のメンバーがチームに所属しています。
単に人数を増やすのではなく、それぞれの役割を明確にし、チーム単位で責任を持ちながら開発できる体制を意識してきました。
藤井さま:Hubbleはこれまで、契約書の管理やレビューを効率化するプロダクトとして進化してきましたが、今はその先を見据えています。現在取り組んでいるのが、契約業務フロー全体の”進め方”を支援するAIエージェント「Contract Flow Agent(CFA)」です。
契約業務は、起案・審査・承認・締結・更新といった複数のプロセスが連なり、法務と事業部門など多くの関係者が関与します。「誰に確認すべきか」「次に何を進めるべきか」といった迷いが生じやすい領域でもあります。
CFAは、Hubble上に蓄積された契約業務の履歴ややり取り、承認プロセス、社内判断基準などを横断的に参照し、「次に取るべきアクション」を提示するものです。AIが判断を代替するのではなく、判断の前提を整えて業務を前に進める、そういう役割を担わせたいと考えています。
藤井さま:事業成長が加速するなかで、開発スピードを維持しながら品質を担保できる体制づくりが課題でした。ただ、人を増やせば解決するという話ではありません。
特に初期は、受け入れ体制やオンボーディングの仕組みが十分に整っておらず、参画してもらっても「何をどうお願いすればいいかわからない」という状態に陥ってしまうことがありました。これはフリーランスに限らず、新しい人が加わるときの体制づくり全般に共通する課題でもあります。
そのため、まずは正社員を中心に体制を固め、人が入ってきてもスムーズに立ち上がれるオンボーディングの仕組みを整えることを優先しました。結果として、直近では大きなボトルネックは感じにくくなっています。
藤井さま:開発を止めることはできない中で、必要なタイミングで即戦力を確保できる柔軟性が不可欠だったからです。正社員採用も並行して進めていましたが、採用から戦力化までには時間がかかります。
一方でフリーランスであれば、スピード感を持って開発に参画してもらえます。当社は、正社員かフリーランスかという契約形態そのものにこだわっているわけではありません。重要なのは、Hubbleの開発にしっかり向き合い、一定の時間と熱量を投下してもらえるかどうかです。
その前提から、現時点では週1〜2日といった限定的な稼働形態は基本的に想定していません。開発チームとして求めているのは、部分的な手助けではなく、プロダクトづくりに本気でコミットしてもらえる関わり方だからです。
藤井さま:最も重視したのはカルチャーフィットです。スキルや経験以上に、人として信頼できるか、思いやりを持ってチームに関われるか、一緒に働いていて自然にコミュニケーションが取れるかを丁寧に見ています。
当社は契約形態にこだわらない分、「決められた要件をそのまま実装するだけ」といった関わり方は想定していません。要件の背景やお客様の課題理解から入り、開発のディスカッションにも主体的に参加してもらうことを前提としています。
その上で重視しているのが、主張しすぎず、遠慮しすぎない姿勢です。対話を通じてチームで議論しながら前に進める、バランスの取れた方が理想だと考えています。
DTPデザインを起点に20年以上のキャリアを持ち、Web・グラフィックまで幅広く対応。女性向けサービスや衛生関連商材を中心に、ターゲットや訴求意図を踏まえたデザイン設計を強みとする。フリーランス転身後は、美容系サービスのバナー制作や化粧品関連LPのデザインを担当。独立前には電気機器メーカー案件において、デザインからコーディングまで一貫して対応した経験もあり、領域を越えた視点でプロジェクトに貢献してきた。
通信系ミドルウェア開発を起点にキャリアをスタートし、Webアプリケーション領域へと専門性を広げてきた。Rubyを中心としたバックエンド開発に加え、インフラ設計やDevOps、品質改善まで幅広く対応可能。マイクロサービス化されたWebプロダクトでは、機能開発だけでなく技術選定やテックリード、プロジェクト単位でのマネジメントも担っている。事業フェーズに応じた技術判断を行いながら、難易度の高い開発を安定して推進してきた。
ネットワーク・サーバー領域を起点にキャリアを積み、その後Web開発へと軸足を移行。Ruby(Ruby on Rails)を中心に、バックエンド開発から一部フロントエンド、インフラ構築まで幅広く対応可能。直近ではヘルステック領域のプロダクト開発に携わり、データ運用管理やバックエンド開発を担うとともに、少数体制の中で若手エンジニアの育成やオフショア連携にも関与してきた。インフラ面では、さくら環境への移行やAWS仮想環境の構築にも対応でき、現場を下支えしながら安定した開発体制づくりに貢献している。
2014年よりエンジニアとしてのキャリアをスタートし、以降一貫してRuby on Railsを用いた開発に従事。バックエンドを中心に、要件定義から実装、テスト、保守運用まで幅広く対応してきた。直近では長期にわたりプロダクト開発に参画し、Railsのバージョンアップや管理画面の権限設計、フロント画面の改修、新卒エンジニアの育成などにも携わっている。テストを意識した実装やMVCの理解に基づく技術選定を通じ、開発の品質と安定運用を支えている。
Ruby(Ruby on Rails)を中心としたバックエンド開発を強みとし、フロントエンドではVue/React、TypeScriptを用いた開発にも対応。キャリア初期より業務システムの新規開発に携わり、顧客折衝を含む上流工程から実装まで一貫して経験してきた。アドテクノロジー領域のシステム開発では、バックエンドに加えてフロントエンド開発やコードレビューも担当。直近では就活支援サービスの開発案件において開発をリードし、新卒メンバーのメンター役も担うなど、プロジェクトの中核として参画している。
2012年よりデザイナーとしてキャリアをスタートし、プランナー職の経験を経てWebデザイン領域へと専門性を拡張。toB・toC双方のサービスに携わり、LPやバナー制作に加え、UI設計や画面構成の整理を中心としたデザイン業務を担当してきた。近年では0→1フェーズの自社事業開発プロジェクトに参画し、要件整理や画面設計、ユーザーテストの設計までを担うなど、デザインと進行の両面からプロジェクトに関与している。

藤井さま:現在、開発組織にはエンジニアだけで20名近くおり、プロパートナーズ経由では7名のフリーランスの方に参画いただいています。それぞれの強みを生かした形で活躍してもらっていますが、K.Yさんの活躍が印象的ですね。
K.Yさんには、Railsエンジニアとして、テスト・品質改善を中心に入っていただいています。参画当初から具体的なタスクを細かく決めていたわけではなく、本人の強みであるテスト設計を軸に、開発組織全体のテスト意識や進め方が少しずつ整っていきました。
また、S.Uさんには、メンター的な立ち位置で参画いただいています。S.UさんはRubyコミッターの方で、技術的な支柱として、メンバーが詰まったときに「ちょっとS.Uさんに聞いてみよう」と言える環境があること自体が、組織にとって大きな価値になっています。
藤井さま:K.Yさんについては、何よりフルコミットで関わってくださっている点が印象的です。Hubbleのプロダクトに集中して取り組んでくれているので、キャッチアップの速さにもつながっていると感じています。
定例の場だけでなく、ハドルで「ちょっと5分いいですか?」と声をかけて、分からないメンバーがいればその場で説明してくれたり、後から資料にまとめてくれたりと、とても主体性の高い関わり方をしてくれています。
技術面では、特にテスト領域に強みがあり、現在ではメイン機能のほぼすべてのプルリクエストにK.Yさんのレビューが入っています。
それもこちらから依頼したというより、「全部に関わらせてください。レビューを通して、Hubble全体のテスト意識がつながっていくと思うので」と、K.Yさんご自身から提案してくれた形でした。本当にありがたかったですね。
坂脇さま:人事の立場から見ても、K.Yさんの存在が組織に与える影響の大きさを強く感じています。フリーランスの方が、ここまでカルチャーや品質の面で良い変化をもたらしてくれるというのは、正直、想定以上でした。
藤井さま:K.Yさんに関しては、テスト周りの改善を中心に取り組んでもらいました。K.Yさんの強みと、当時のHubble側の課題が重なっていた領域だったと思います。
例えば、できるだけモックに依存しないテスト設計を基本方針として示していただきました。メリット・デメリットはあるものの、最終的にはメリットの方をチームが受け入れ、方針として浸透していきました。
また、テストカバレッジを可視化するツールであるCodeCovの導入も提案してくれました。導入後はプルリクエストごとにカバレッジが可視化され、改善の積み重ねを定量的に把握できるようになっています。
藤井さま:まず定量面では、テストの質が上がりました。ケース数やカバレッジに加えて、K.Yさんなりの「どういうテストを書くべきか」という考え方が、チーム全体に浸透したことが大きかったですね。
また、CodeCovの導入によって、プルリクエストごとにカバレッジが可視化され、改善の度合いを数値として確認できるようになりました。
定性的な面では、「ちゃんと書かないと“K.Yさんブロック”に引っかかるから頑張ってます」と冗談が出るくらい、品質に対する意識が自然と引き上げられたことです。正直、当時のフェーズで正社員だけでこの変化を起こすのは難しかったと思います。
もう一つ大きいのはスピードです。参画後のキャッチアップが早く、わからないことを曖昧なままにせず自分から聞きに来てくれる。設計や方針についてもきちんと議論してくれるので、その姿勢自体がチーム全体に良い影響を与えていました。
坂脇さま:人事の観点で印象的だったのは、「フリーランスだから定着しない」という懸念が、ほとんど当てはまらなかったことです。むしろ、長く関わってくださる方が多く、その中で正社員への転換という選択が自然に生まれるケースもありました。
実際に、T.Sさんはフリーランスとして一度参画いただいた後、いったん契約は終了しましたが、改めてHubbleで働きたいとご本人から申し出があり、現在は正社員として活躍してもらっています。
一緒に働く中でお互いに納得感があれば、そうした選択肢が自然に生まれる。その柔軟さも、フリーランス活用の成果の一つだと感じています。

藤井さま:こちらが大切にしているカルチャーやコミットメントを理解した状態の方とお会いできている実感があります。採用の入口でカルチャーや期待値のすり合わせができている分、参画後の立ち上がりが速いですね。
Hajimariさんとは設計や方針にも踏み込んで議論できるため、チームの意思決定や開発スピードにも良い影響が出ています。
坂脇さま:マッチングに関しては、他社エージェント経由の場合、私の選考段階で見送るケースも少なくありません。
しかし、Hajimariさん経由の場合は、「どんなチームで、どんな関わり方を期待しているか」といった前提が、あらかじめ候補者の方にも共有されている印象があります。
その結果、人事フェーズでは次のステップへ進むケースがほとんどで、非常にスムーズに進められています。
藤井さま:単一の成功で終わるのではなく、日本を代表するような、確固たる事業基盤を持つ企業へ成長させたいという思いがあります。掲げている目標も大きいですし、当然、時間も人数も必要になります。だからこそ、組織も積極的に大きくしていきたいですし、採用も継続して進めていきたいと考えています。
それに、プロダクトも一つでは足りないと思っています。よく「二の矢、三の矢」と言いますが、100億を目指すのであれば、1つのプロダクトだけでは難しい。二の矢、三の矢、四の矢まで、きちんと用意していく必要があります。
ただ、次の矢が必ずしもリーガルテックである必要はありません。SaaSの定説として、既存のお客様に横展開したほうが進めやすい面はありますが、まったく違う方向に広がる可能性もある。その時々で市場を見極めながら、柔軟に挑戦を重ねていきたいと考えています。
藤井さま:当社にとってフリーランス活用は、一時的なリソースではなく、開発組織を支える重要な戦力です。契約形態にこだわらず、きちんとコミットしてくれる方に入ってもらうことで、開発スピードと品質の両立が実現できています。
正社員採用も並行して進めていますが、事業成長のスピードに対して、どうしても間に合わない場面は出てきます。その点、フリーランスであれば、必要なタイミングで即戦力を確保でき、柔軟に体制を組み替えられる。スタートアップにおいては、非常に有効な選択肢だと思います。
一方で、単に手が足りないから、という理由だけでフリーランスを迎えるのはおすすめしません。短期的なリソース確保ではなく、中長期的に一緒にプロダクトをつくっていく関係性を前提に考えることが重要だと感じています。
坂脇さま:その前提として大切なのが、カルチャーや期待役割の言語化です。どういう人に入ってほしいのか、どんな関わり方を期待しているのかを、人事と現場メンバーできちんとすり合わせておく。
そのうえでフリーランスを迎えれば、契約形態に関係なく、チームの一員として自然に力を発揮してもらえると感じています。
株式会社Hubbleさまの事例からは、フリーランス活用を単なるリソース確保としてではなく、開発組織づくりの一部として捉えている姿勢がうかがえます。
求める役割や期待値を事前に言語化し、参画後もチームの一員として迎え入れる。その積み重ねによって、契約形態に関係なく高いコミットメントが生まれ、結果としてスピードと品質の両立につながっています。
誰を、どのタイミングで、どのように迎えるのか。そうした問いに向き合い続けることこそが、変化の激しいフェーズにおいても組織の強さを支えているのだと言えるでしょう。
今回の事例のソリューションサービス

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