【収入実態調査】年収アップでも生活実感は悪化。手取りを増やす取り組み「何もせず」が最多。投資やリスキリングで収入UP目指す

フリーランスプロ人材マッチングのITプロパートナーズ(https://itpropartners.com/)を運営する株式会社Hajimari(所在地:東京都渋谷区、代表取締役:木村 直人)は、20〜50代のビジネスパーソン794名(会社員400名、フリーランス394名)に対して調査を実施しました。

本調査では、ビジネスパーソンの年収や生活実感の変化、手取りを増やすための取り組みの実態が明らかになりました。

≪調査結果の利用条件≫
1 情報の引用元として「ITプロパートナーズ」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、引用元として下記リンクを設置してください。
URL:https://biz.itpropartners.com/blog/report/3126/

調査サマリ

  • 約4割が「昨年より生活が苦しくなった」と回答
  • 多くが物価上昇や税金の高さに不安
  • 手取りを増やす取り組み「何もせず」が最多回答
  • 手取り増加の取り組みとして実践されているのは投資・節税・リスキリング

約4割が「昨年より生活が苦しくなった」と回答

ビジネスパーソンに昨年と比較した年収の増減を聞いたところ、大半が「ほぼ変わらない」と回答しました。なお、年収に変動があった人では、会社員は「年収が増えた」人が多く、フリーランスは「年収が減った」人が多いことがわかります。

続いて、昨年と比較した生活実感の変化を聞いたところ、会社員・フリーランスともに約4割が「生活が苦しくなった」と感じていることがわかりました。会社員よりもフリーランスの方が「生活が苦しくなった」と答えた人の割合が多いものの、「生活に余裕ができた」と回答した人の割合も多く、フリーランスは収入の変動が大きいことが推察されます。

年収アップでも生活実感悪化

続いて年収が増えたと回答した人に限定して生活実感を調査しました。年収が増えたにもかかわらず、生活に余裕ができたという回答は約25%にとどまり、7割以上の人が「変わらない」もしくは「苦しくなった」と感じていることが明らかになりました。

会社員とフリーランスともに、手取り額は30万円台までに集中しており、特にフリーランスでは20万円未満という回答も目立ちました。会社員においては、年代による大きな変化が見られず、賃上げが叫ばれる一方で給与上昇の実態は限定的であることがうかがえます。なお、手取りが60万円を超える会社員はごくわずかで、対してフリーランスは収入の幅が広く、ばらつきが顕著でした。

多くが物価上昇や税金の高さに不安

会社員・フリーランスともに物価上昇の影響や、税金、社会保険料の高さに不安に感じていると回答しています。会社員は「収入が上がらない」ことに、フリーランスは「収入が不安定である」ことにそれぞれ不安を感じているようです。

また、老後の資金や漠然とした不安を感じると回答した人も多く見られました。

手取りを増やす取り組み「何もせず」が最多回答

手取りを増やすための具体的な行動を聞いたところ、金銭面の不安や悩みを感じる要素が多い一方で、「何も行っていない」という回答が最も多く、会社員の29.16%、フリーランスの24.30%にのぼりました。

行動を起こしている人においては、両者とも「投資」(会社員:104名、フリーランス:71名)への関心が高いことがわかりました。その他では、会社員は昇進、副業による収入アップを目指す傾向が、フリーランスは経費削減、スキルアップによって市場価値を高め、報酬単価を高めるための自己研鑽にも投資をする傾向が見られます。

給与や報酬の引き上げ交渉を行ったことがある人は、会社員で約18%、フリーランスで約26%と、フリーランスの方がやや多いものの、全体では2割程度にとどまりました。

交渉経験者の勤務先を見ると、外資系企業、スタートアップ、日系大手企業、中小企業にまんべんなく分布しており、企業規模や業態を問わず給与や報酬の引き上げ交渉を行った人がいることがわかりました。

また、「交渉しようと思ったが、できなかった」と回答した人が全体の4分の1ほどいる一方で、会社員の約57%、フリーランスの約50%は「交渉したいと思ったことがない」と回答しており、多くのビジネスパーソンが賃上げに対して受け身の姿勢であることがうかがえます。

交渉したことがある(成功経験あり)と回答した人のみを対象に、年収の増加額の詳細を確認したところ、会社員は、5万円〜10万円未満、10万円〜20万円未満の年収アップを獲得した人が同数で最も多く、次いで1万円未満、1万円〜3万円未満と続いています。

一方、フリーランスでは、1万円〜3万円未満の増加が最も多く、次いで3万円〜5万円未満となっています。フリーランスは年収増加額の分布が幅広く、30万円以上の高額な増加を実現した人も会社員より多い傾向にあります。会社員に比べ、収入を増やすための具体的な手段が多いこと、また、リスキリングやトレンド技術の習得により、市場価値を高く評価される新規・追加案件の受注が背景に予想されます。100万円以上の大幅な年収アップに成功している人も見受けられました。

株式会社Hajimari 代表取締役 木村直人からのコメント

今回の調査で、会社員・フリーランスを問わず約4割の人が「昨年より生活が苦しくなった」と感じていることが判明しました。さらには、年収が変わらない、あるいは増えたという人でも生活実感は悪化しているという現実も衝撃的です。

「賃上げ促進」「手取りを増やす」という言葉は、ニュース等で頻繁に聞くようになったものの、インフレによる物価高や税金や社会保険料の負担増が家計を圧迫し、収入の増加がそれに追いついていない実態が浮き彫りになりました。

こうした状況にもかかわらず、収入増加のための具体的行動を起こしていない人が会社員で約29%、フリーランスで約24%も存在することは注目すべき点です。一方で、実際に行動を起こしている人は「投資」「節税対策」「経費の見直し」などを行っており、金融リテラシーの高い人ほど、積極的に収入向上のための行動を取っている傾向が見られます

さらに、会社員・フリーランス共にスキルアップや資格取得による収入向上を目指す人もおり、自分の実力を向上することで報酬を増やす事を目指す方々もいらっしゃいます。特に若手のうちは自己投資が最も将来的な収入向上につながる可能性があることは認識しておくべきだと思います。

今後、物価高や増税などに対応できるよう、各自が可能な範囲から早期に収入向上に向けた取り組みを進めていくことは、安定した財政基盤の構築につながるでしょう。

株式会社Hajimari 代表取締役CEO

木村 直人

早稲田大学卒業後、大手損害保険会社を経て、株式会社アトラエにて成功報酬型求人サイト「Green」の立ち上げから携わる。 その後、「自立した人材を増やし、人生の幸福度を高める」をビジョンに掲げ、株式会社ITプロパートナーズを創業し代表取締役に就任。2020年2月には社名を「株式会社Hajimari」に変更。 IT、マーケ、人事、財務、メンターなど専門分野のフリーランスのプロ人材と、即戦力人材を求める企業をマッチングする「プロパートナーズ事業」を中心に成長し、創業10年で売上は110億円を突破している。

■調査概要

調査概要:収入実態調査
調査方法:インターネット調査(QIQUMOを利用)
調査時期:2025年3月
有効回答:ビジネスパーソン794名
属性:フリーランス394名、会社員400名
年齢:20代から50代まで、フリーランス・会社員それぞれ各世代100名ずつ(フリーランス20代のみ94名)